お仏壇の藤澤について
塗装へのこだわり
塗装の目的は木を保護することです。但し安全で素材の質感を損なわないように仕上げなければいけません。工房では天然素材を生かしたオイル、漆、等を中心に使用しています。また、お客様のご希望で環境対応型のウレタン塗装(シックハウス対応型)も行いますが、素材の質感を損なわないように心がけております。
< 拭き漆仕上げ >
生漆(採取したままのの漆)を布にて木地に直接擦り込んで行きます。1回ごとに乾かし5回ほど擦り込むと鈍い艶が出てきます。使い込んだ茶箪笥のように茶褐色に仕上がります。
日本のどの地域でも昔から伝わる技術です。主に欅などの管孔材の仕上げ塗装に多く使います。
< 溜塗り(ためぬり) >
うるみ色(ベニガラ色)漆を何回も塗り、仕上げに朱合漆(飴色)を塗ります。深みのある茶色に仕上がります。このままですと溜塗りになります。
この上さらに磨き上げると溜塗り呂色仕上げとなります。根来塗りのような深みのある艶が出ます。
< 根来塗り(ねごろぬり) >
黒漆を何度も塗り込んだ後、最後に朱色の漆を塗ります。そのままの状態を根来と言います。その後使い込んだようにベースの黒漆を研ぎ出し数回に分けて磨き上げると根来塗りになります。呂色仕上げとも呼びます。
< なす紺色乾漆塗り(なすこんいろかんしつぬり) >
なす紺色の漆を粉にして塗り立ての漆に蒔きつけ、透き漆を塗り込んで行きます。
表面は粉の粒でつや消し状になります。丈夫な塗りです。
< 茶色乾漆塗り(ちゃいろかんしつぬり) >
うるみ色(ベニガラ色)の漆を粉にして塗り立ての漆の上に蒔き、透き漆を塗り込んでいきます。表面は粉の粒でつや消しのような仕上がりになります。丈夫な塗りです。
< 利休ネズミの塗り >
黒漆を数回塗り込み最後にねず色の漆を塗ります。その後使い込んだようにベースの黒漆を研ぎ出し数回に分けて磨き上げると絣模様が綺麗な利休ネズミの塗りになります。呂色仕上げとも呼びます。
< 曙塗り(あけぼのぬり) >
朱色漆を何度も塗り込んだ後、朱合漆(飴色)を塗ります。朱色よりも濃いめな深みのある朱色になります。この塗りは周りの明るさによって色の濃さが変わり味のある塗りです。
写真の作品はその後磨きあげて呂色仕上げになっています。
< 春慶塗 >
写真は桧に春慶塗を施したものですが、木地の杢目を膠や柿渋などを数回塗り止めた後、春慶漆を塗っていきます。
色の仕上がりもありますが最低2回は塗ります。鏡面に仕上がります。
工房では朱合い漆を塗っています。
< オイル仕上げ >
名前の通りオイル塗装です。工房では植物性(亜麻仁油、ひまわり油、荏胡麻油など)が主成分のオイル(ドイツオスモ社製オイル)を塗っています。
布にて3回ほど擦り込むと鈍い艶が出てきます。表面は木肌そのままですが
手垢や水をはじきます。定期的にオイルを補充してあげることも必要です。